サラリーマンに好評な副業がマンション経営といわれている。
マンション経営とは家賃収入によって不労所得を得られるというもので、給料とは別の利益となるので、収入が大きく増えるというのが特徴だが、当然、気をつけねばならないことも存在する。
納税額を把握し、確定申告の漏れによる追加徴税があることを防がねばならないのだ。
本記事は、マンション経営による税金と必要経費・注意点について述べたものである。
これからマンション経営をはじめてみようと思った人は、ぜひ最後まで読んでほしい。
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★税金はいくらか?
副業である不動産収入が年間20万円以上になると、確定申告が必要となる。
不動産収入から必要経費を差し引いた所得に対して、一定の税金を支払う必要が生じる。
もし、確定申告を行わなかった場合、無申告加算税という税金が課せられるため、注意が必要だ。
確定申告は「収入」が対象となるので、経費の方が多く赤字の場合でも申告しなければならない。
また、仮に家賃収入が10万円でも、ほかの副業収入が10万円以上あれば確定申告が必要である。
その他にも、土地を所有していると、以下のように課税されるので、知らなかったということがないようにしよう。
固定資産税
土地・家屋といった固定資産の所有者が納付しなければならない税金。
住宅用地や田畑、山林などの土地はもとより、戸建て住宅や分譲マンションなどの家屋にも課税されるのだ。
納税額は各自治体による固定資産の評価、課税標準額の算出、税額の計算などを経て決定される。
都市計画税
都市計画事業や土地区画整理事業(図「都市計画事業と土地区画整理事業の概要」参照)を行う市町村が、都市計画区域内にある土地や家屋に対して、その事業に必要となる費用に充てるために課する税金のことをいう。
不動産取得税
不動産の取引に注目し、土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得(相続などの場合は除く)した際に、取得した方に対して課される税金である。
印紙税
経済取引等に伴って契約書や領収書などの文書を作成した場合に、印紙税法に基づきその文書に課税される税金のことである。
登録免許税
登録免許税法に基づき、登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定及び技能証明について課せられる国税で流通税である。
税率は他の諸税と異なり、千分率で規定されている。
事業税(法人の事業として経営する場合)
事業で道路や港湾、消防や警察など、公共サービスや施設を利用する際にかかる経費の一部を負担する税金のこと。
一部例外を除き、原則、事業を行うすべての法人に納税義務がある。
法人事業税の納付先は、各地方自治体となるが、法人所得が赤字の場合、納付義務は生じない。
★必要経費
マンション経営に必要な経費の種類について解説する。
以下を参照してほしい。
火災保険料・地震保険料
火災や地震による負担を軽減するため、保険会社と契約するケースがほとんどだ。
不動産投資の場合、購入した物件に対する保険料も経費として取り扱われる。
火災保険や地震保険以外にも、マンション経営に必要な保険の保険料は該当すると考えて良いだろう。
減価償却費
投資したマンションの購入費用は、あらかじめ定められた耐用年数をもとに「減価償却費」として計上する。
建物の素材や用途など、適切な区分を反映して算出するルールとなっている。
経費にできる項目の中でも、大部分を占める費用といえるであろう。
また、経費として計上できるにもかかわらず、実質的出費を伴わないことがポイントだ。
修繕費・修繕積立金
建物の老朽化が進むと、安全な状態を維持するための修繕工事も必要だ。
このような目的で支払う修繕費は、マンション経営にも大きく関係するため経費となる。
管理委託料
マンションのように管理が必要な物件においては、専門業者に管理を委託するケースがほとんどだ。
定期的に支払う委託料も経費に該当するため、1年間分の総額を計上しなければならない。
実際に委託する際は、一般的に家賃に設定した金額をもとに算出される。
専門業者によって管理委託料は異なるため、契約前のリサーチや比較も重要である。
入居者募集費用
マンション経営をスタートした直後や、空室が発生した際には入居者を募集する必要がある。
入居希望者を仲介してもらったり、広告を出したりと、依頼した業者へ料金を支払う仕組みだ。
これらはマンション経営を続けるために必要な出費となるため、広告の方法や内容に関わらず経費に計上できる。
ただし、管理会社に管理を委託している場合はオーナー自身ではなく管理会社が自ら広告宣伝するため、例え自身が所有する物件の広告だったとしても経費計上することはできないのだ。
セミナー参加費用
マンション経営に関する情報を集めたいときには、講習会・セミナーに参加することもあるだろう。
趣味のような目的ではなく収益に影響するため、参加費用は経費としての取り扱いが可能だ。
電車やタクシーを使って会場まで足を運んだ場合は、往復の交通費も経費に含まれる。
あくまでもセミナーが主体であり、飲食代は対象から外される点を理解しておかなければならない。
不動産投資ローンの利息
ローンでマンションを購入すると、借入金に「利息」が上乗せされる。
具体的な金額は契約内容によって変動するが、支払った利息分も経費のひとつだ。
ただし、購入したマンション・土地そのものの費用は含まれない。
返済額の全てを計上しないように注意しよう。
明細書など正式な書類を確認しながら記録できると安心なのだ。
仲介手数料
マンション経営では、不動産投資会社に相談して物件を紹介してもらう流れが多く見られる。
売主から直接購入するのではなく、仲介業者を挟む方法だ。
このとき、不動産投資会社へ仲介手数料を支払う。
支払った金は経費として取り扱われるため、契約料金の内訳を確認して計上しよう。
接待交際費
長い間マンション経営を続けると、不動産投資会社の担当者などと食事の機会を設けることがある。
不動産投資に関する相談や会合といった目的であれば、経費として計上が可能だ。
プライベートな付き合いである場合は該当しないため、明確に区別するよう注意した方が良い。
領収書を保管しておくと、書類にも反映しやすくなるのだ。
消耗品費
マンション経営に必要な消耗品を購入した場合、ひとつあたり10万円以下のものは経費として計上できる。
10万円以上の消耗品は減価償却を行う必要があるため、高額なものを購入する際は注意しよう。
例えば、デスクとチェアをセットで購入した場合は2つの合計金額が基準となる。
撮影した物件写真の印刷代や、カメラの購入費用も計上が可能だ。
事務用品費
青色申告書をはじめ、経理作業を行うためには事務用品が必要となる。
記録用のノートやペンなどを購入したときには、事務用品費として計上すべきだ。
消耗品費として計上することも可能だが、ひとつ当たりの金額が安価な場合や、支出の頻度が少ない場合は、事務用品費として項目を分けておくほうが判別しやすく適切である。
コピー用紙やプリンターのインクといった用品も含めておこう。
通信費
不動産投資関連で通信費が発生した場合も、経費として取り扱われる。
マンションをリサーチするためのインターネット料金や、管理会社との電話連絡などで支払った通話料金である。
マンション経営以外の目的でも使用している場合は、家事按分(かじあんぶん)の規定に従って経費分の割合を決めよう。
費やした金額ではなく、時間を基準に算出するのだ。
書籍代
不動産投資のノウハウを学ぶために購入した書籍は、「新聞図書費」の項目に計上が可能。
マンション経営の限定的な目的であれば、確定申告書の作成や税金に関する書籍も経費に含まれる。
定期購読で継続的に支払っている場合も、該当年の総額を計算して記録に反映しよう。
税理士報酬・司法書士報酬
マンションを購入する際には、登記手続きを司法書士に依頼するケースがほとんどだ。
手続きや印紙に必要な費用以外に、依頼料として司法書士にも報酬を支払う。
マンション経営のために費やした司法書士報酬は経費扱いだ。
確定申告など税務関係を委託した場合は、税理士に支払う報酬(依頼料)も経費に含めよう。
借地手数料
マンションが建設された土地を地主から借りる場合は、「借地手数料」が発生する。
オーナーは建物の購入費用を負担し、土地は別途借地契約を結ぶかたちだ。
マンション経営に必要な要素であるため、地主に支払った手数料は経費に計上できる。
経営している間は、固定資産税と同様に継続的な支払いを求められるのだ。
立ち退き料
オーナーの事情で入居者の立ち退きを希望する際には、生活を補償するための「立ち退き料」が必要となる。
なんらかの理由により、強制的な退去を求める場合に入居者へ支払う。
具体的な理由は様々だが、オーナーの金銭的負担にもなるため経費に含めておこう。
立ち退き料には、転居をスムーズにするだけなく、入居者とのトラブルを避ける目的もある。
青色申告専従者給与
オーナーが得た家賃などの収入を給与として親族に支払った場合、「青色申告専従者給与」の項目で計上が可能。
対象となる条件には部屋数も挙げられるため、マンションを選ぶ前にリサーチしておくのが得策だ。
また、家族全員に配分できるわけではないため、細かい規定を確認した上で、給与の金額も適切な範囲で決めることが大切といえる。
★注意点
マンション経営にはリスクとなる注意点もあり、死活問題となるものが多く存在する。
それらについて以下で述べる。
空室のリスクがある
マンション経営を始めたからといって、すぐに満室になることはなく、空室のリスクも潜んでいる。
空室が発生すると家賃収入が得られないことに加えて、部屋の管理をオーナーが行う必要があるため手間と費用がかかってしまう。
もし、空室の期間が長く収入が得られない状態で、管理や税金などのコストがかかると赤字経営に陥ってしまうこともあります。
そのため、空室が発生した場合に備えて入居者をスムーズに確保する方法を常に考えておくことが重要になる。
家賃滞納をする奴がいる
入居者が確保できたとはいえ、常に安定した家賃収入を得られるとは限らない。
家賃を滞納するおそれもあり、想定していた収入がスムーズに得られないことがある。
そのため、入居前の審査が重要になっており、信頼できる入居者を選ぶことが重要になる。
金利上昇のリスク
ローンを組んでマンション経営を始めた場合、金利上昇のリスクもある。
アパートローンは、経済情勢による影響によって金利が変動するため、契約時よりも金利が上がり、支払いの負担が増えることが考えられる。
そのため、資金計画を立てる際には、金利上昇のリスクを考慮することをおすすめしたい。
天変地異による被害
マンション経営では、地震や火災、台風などの災害のリスクも考慮する必要がある。
災害によってマンションが損傷や倒壊した場合は、不動産価値の減少や資産の消失も考えられる。
また、契約内容次第では、入居者に対して補償が必要なこともあるため、もしもの時に備えて火災保険に加入したり、資金を貯めておくことが大切だ。
入居者トラブルのリスク
マンション経営には、入居者同士や周辺住民とのトラブルが起こるリスクがある。
セキュリティの不備で不法滞在者が出たり、マンションの住民同士で、騒音やゴミ出しなどのトラブルが起きると、悪いうわさが立ってしまい入居希望者も獲得しづらくなる。
そのため、入居者の審査やマンション内のルール作りをしっかりと行うことが重要なのだ。
管理会社の倒産
マンションの管理を業者に依頼している場合は、その管理会社が倒産して、管理をしてもらえなくなるというリスクもある。
管理会社が倒産してしまうと、自分で管理をするか別の管理会社を探す必要があり、これには手間とコストがかかる。
企業の倒産は経済情勢の変動だけではなく、そもそも経営状況による問題もあるため、管理を委託する際には、契約時点で経営に問題がないかを調べておくことが重要だ。
売却できない時がある
マンション経営の中でも、特に一棟マンション経営では、手放したい時に売却できないリスクがある。
そもそもマンションを一棟購入したいと考えている人が少ないため、買い手を見つけるのは困難だ。
また、一棟マンションは経営状況が悪く、空室が多いと売却しづらくなってくる。
そのため、いつ買い手が見つかっても良いように空室をできるだけ減らすことが重要なのだ。
★終わりに
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