海外FXを利用中、または検討している人は、「税金の仕組みはどうなっているか」「確定申告はどのようにしたらいいのか」という疑問を持っているであろう。
税金について知らなければ追徴課税の対象になるだけでなく、最悪、脱税で逮捕されてしまうため、必ず学んでおかなければならない。
本記事では、海外FXで得られた利益から発生する税金について述べている。
課税タイミングや税率、納税手続きに必要な物、節税方法について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでほしい。
目次
★海外FXの所得税はいつ納税するか?
海外FXの税金は、1月1日~12月31日までの1年間の所得(利益から経費を差し引いた金額)が決定したタイミングで発生する。
★海外FXのおける課税のタイミング
国内・海外問わず、FXでは課税タイミングが出金ではなく利確となる。
含み益の時点では税金は発生しないが、ポジションを決済(利確)した時点で課税対象となるので注意しよう。
海外FXで税金がかかるタイミングは、年間の利益が確定する12/31である。
海外FXでは利益が出る度に税金が発生するのではなく、年間の合計利益に対して税金がかけられる。
ただし、含み益が発生しているポジション(以下で説明する)の場合でも、決済をしなければ課税対象にはならない。
ポジションとは?
ポジションとは、通貨売買の約定はしていても決済をしていない状態のことをいう。
FX取引ではまずポジションを保有し、その後決済をしてはじめて損益が確定する。
ポジションを保有している段階では、まだ利益ではなく未確定の含み益扱いである。
つまり、12/31時点で含み益が発生していても、決済をしないかぎり利益には当たらないので覚えておこう。
含み益と利益の関係について具体例
ドルが100円のときにポジションを保有。円安でドルが105円になると、105円−100円=5円の含み益となる。
この段階では、まだ利益にならず、ポジションを決済して、はじめて5円の利益が確定することになるのである。
★海外FXの税金は高い
海外FXの所得税の税率は5〜45%である。
海外FXは総合課税なので利益が増えるほど、課税所得も高くなってしまう。
さらに、住民税が約10%、復興特別所得税は所得税に2.1%をかけた金額がかかるので、稼いだ利益のうち15〜55%前後の税金を納めねばならないのだ。
★海外FXはなぜ総合課税なのか?
海外FXを利用して獲得した利益は、国内FXと同様で雑所得に該当するが、基本的に海外FXは金商法に基づく金融商品取引業に登録がされていないため申告分離課税の対象とはならない。
よって、この場合は総合課税の対象となる。
海外FXの税金は利益がいくらから発生する?
海外FXの利益に対して発生する税金は、給与所得者かどうかによって異なる。
給与所得者と非給与所得者それぞれのケースについて以下で述べる。
給与所得者:年間所得20万円以上の場合
給与所得者は、給与所得以外の所得が年間20万円以上になると、確定申告が必要。
副業などの所得があれば、海外FXの利益と合算する。
所得とは、利益から経費を差し引いた額をいう。
たとえば、30万円の利益に対して20万円の経費がかかっていれば所得は10万円なので、確定申告をする必要はない。
ただし、給与以外の年間所得が20万円未満の場合に課税されないのは所得税であり、住民税は別途申告が必要となる。
1円でも利益が出ている場合は、居住する市町村に住民税の申告をしてください。
なお、確定申告した場合は税務署から市町村へ情報共有されるので、住民税の別途申告は不要である。
また、確定申告の有無にかかわらず、会社の給与に対する税金は年末調整で精算されるのだ。
自営業・専業主婦・無職など非給与所得者:年間所得48万円以上
非給与所得者(自営業・専業主婦・無職など)は、年間所得が48万円以上の場合に確定申告が必要となる。
所得税の基礎控除は48万円なので、48万円未満なら所得が0円になるのだ。
基礎控除とは、全員が所得から控除できる金額のことをいう。
所得が2400万円以下なら基礎控除は48万円、2400万円超2450万円以下は32万円、2450万円超2500万円以下は16万円、2500万円超は0円と定められている。
年間所得が48万円未満で確定申告が不要の場合でも、1円でも利益が出ていれば住民税の申告は必要なので忘れずに行おう。
★納税から免れる方法はない
海外FXの利益は所得税と住民税の対象となるものだ。
いずれも確定申告によって納税しなければならないのだが、一定額の控除と経費の差し引きができるので最大限活用しよう。
また、海外FXの利益を確定申告しないことは、脱税行為に当たる。
海外の口座ならばれないと思われがちだが、税務署に金融機関の履歴を追跡されると、いずればれてしまうので、必ず確定申告しよう。
脱税がばれた場合は度合いに応じて、未払分の税金支払いや無申告税の支払い、重加算税の支払いなどのペナルティが課されてしまう。
最悪の場合は逮捕されるので、必ず納税するのだ。
★納税に必要な物
海外FXの確定申告には、確定申告書(税務署で入手可能)、年間の収入を確認できるもの、本人確認書類、マイナンバー確認書類、源泉徴収書(あれば)、印鑑などの準備が必要だ。
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類がある。
青色申告は不動産所得・事業所得・山林所得がある人が利用可能で、より詳細な帳簿等が必要となるが、控除額が高く税制面で有利だ。
一方、白色申告は誰でも利用可能で、記載内容もシンプルだが、青色申告よりも控除の種類や金額が少なくなる。
青色申告は対象者が限定されているうえ記入も少し難しいので、会社員や投資初心者は白色申告を利用するといいだろう。
★節税方法
海外FXで得た利益は、経費や控除を最大限活用して節税を目指そう。
具体的な節税方法は以下のとおり。
運用にかかった費用は経費として計上
運用にかかった費用は経費として計上すると、節税につながる。
課税対象となる海外FXの利益の計算方法は、総収入金額−必要経費=利益である。
経費かどうかを判断する明確な基準はなく、あくまで自己判断になる。
経費として申告できる主なものは、取引に使うPCやスマホ代、FXに関する書籍代、インターネットの通信費、FXのセミナーの受講料・交通費・宿泊費などが挙げられる。
万が一の税務調査に備えて、経費の領収書やレシートは必ず保管しておこう。
ほかの副業収入で損失があれば合算する
雑所得の枠のなかでは、海外FXの利益をほかの副業の損失と損益通算できる。
雑所得に分類される副業は、仮想通貨取引、ブログ、アフィリエイト、転売、ハンドメイドの物販などである。
雑所得と他の所得の損益を通算することはできないので、申告分離課税の国内FXとは合算できない点に注意しよう。
所得控除を利用する
少しでも節税するために、所得控除を活用していこう。
利用できる所得控除の種類は以下のとおりだ。
雑損控除:災害・盗難・横領による損害額に応じた一定額
医療費控除:支払った医療費が10万円以上の場合に最大200万円
社会保険料控除:社会保険料の全額
小規模企業共済等掛金控除:掛金の全額
生命保険料控除:生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料に応じた一定額
地震保険料控除:地震保険料に応じた一定額
寄附金控除:特定寄附金を支払った場合に所定の計算式で算出
障害者控除:自身または生計を一にする人の障害区分に応じた一定額
寡婦控除:寡婦の場合27万円
ひとり親控除:ひとり親の場合35万円
勤労学生控除:勤労学生の場合27万円
配偶者控除:配偶者の所得が48万円以下の場合に納税者の所得に応じた一定額
配偶者特別控除:配偶者の所得が48万円超〜133万円以下の場合に所得に応じた一定額
扶養控除:扶養親族の区分に応じた一定額
基礎控除:所得が2500万円以下の場合に最大48万円
税務署が活用できる所得控除を教えてくれることはない。
そのため、自分が活用できる所得控除をよく確認して、できるかぎり節税を目指そう。
★法律は知らなかったが通用しない
税金について述べてきたが、注意点がひとつ存在する。
確定申告をはじめとする法律で定められたすべての事象は「そんなの知らなかったが通用しない」のである。
分からないことは専門家に相談料を払ってでも解決する、ということをしないと取り返しがつかない問題に発展してしまうのだ。
法律で禁止されていることを知らずに犯罪行為に及んでしまうケースは、一般に「違法性の錯誤」と呼ばれている。
刑法38条3項で「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。」と定められており、知らなかったが通用しないのはそのためである。
確定申告は忘れずに行おう。
★終わりに
海外FXの納税額は高い。
しかし、納めねば罰せられてしまう。
確定申告が面倒だからといって怠ることがないようにしよう。
申告ソフトを使えば簡単に納税できるため、手間がかかる作業が苦手な人は、ぜひ利用しよう。
もちろん、ソフトにかかる代金はもちろん経費にするのを忘れないように。
なお、海外FXで稼ぎたい人には、XMトレーディングがおすすめである。
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